自民党の渡辺喜美元行政改革担当相(56)=衆院栃木3区、当選4回=は12日午後、栃木県大田原市で後援会の会合を開き、離党する考えを正式に表明した。13日午後に離党届を提出した後、記者会見する。
渡辺氏は離党の理由について記者団に「命懸けで取り組んだ公務員制度改革について、天下り規制の緩和は撤回すべきだと(麻生太郎首相に)提言したが、黙殺、否定された」と説明。首相の姿勢を「政権維持最優先の政治はやめるべきだ」と批判した。
13日には渡辺氏が撤回を求める定額給付金などを盛り込んだ2008年度第2次補正予算案が衆院本会議で採決される見通しで、渡辺氏は反対するか棄権する方針。
これに対し麻生首相は12日の民放番組で「個人の問題だ」と強調、ほかに離党者は出ないとの見通しを示した。
渡辺氏は今後の活動について「わたしがまず外に出て、国民運動を起こしたいと決意した。全国に同志がたくさんいる。提言活動をしていきたい」と述べ、近く地方自治体の首長や地方議員、有識者らと「国民会議」を立ち上げる意向を示した。
渡辺氏は5日、麻生首相に早期の衆院解散や2次補正予算案修正などを要求する文書を自民党に提出。9日には官僚OBが2回以上再就職する「渡り」のあっせん全面禁止や、あっせんを承認する政令の撤回を求める公開質問状を提出しようと官邸を訪れたが、首相側は受け取りを拒否した。
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