警視庁池袋署は11日までに、強盗の疑いで東京都中野区の無職・三好寿一容疑者(55)を逮捕した。調べによると三好容疑者は10日午前11時半ごろ、「池袋パルコ」(豊島区)の輸入雑貨店で帽子など3点(3500円相当)を“女装”して万引き。現場を見つけた女性警備員(56)を投げ飛ばして逃げた疑い。
同署によると、万引き時、三好容疑者は肩までのカールした茶髪のカツラを着用していた。大きなサングラスをかけ、ひざ丈の黒いコート姿に足元はスカートにヒールがあるブーツ。首元には青いネックレス、顔はぶ厚いファンデーションと口紅でメークされていたという。
三好容疑者は店内を歩きながら、婦人物のニット帽や毛抜き、シャープペンシルを代金を払わずにコートのポケットに入れた。これを女性警備員が発見、店外に出ようとした容疑者に「会計はお済みですか」と声をかけたという。すると容疑者は女子トイレの中に逃げ込み、警備員から再び声をかけられて外へ出てきた後は、無言で逃げようとした。警備員が袖口をつかんだところ、振り払われて投げ飛ばされるような格好に。警備員にけがはなかった。
もみ合った際、三好容疑者のカツラがずれ落ちて黒い短髪が現れ、コートも脱げた。身長160センチ弱と小柄だったこともあり、女性警備員は「かつらが脱げるまで、女装していたとは分からなかった」と話しているという。
三好容疑者は脱げてしまったカツラとコートを現場の床に残したまま逃走した。ところがコートのポケットに携帯電話が入っていたことから、署員が自宅を訪問。犯行から3〜4時間後、化粧もすっかり落とし、服装も普通の男性に戻った容疑者が帰宅。署員が「事件の事でお伺いしたいのですが」と問いかけるとあっさり犯行を認めたという。
同署によると、三好容疑者の見た目は「普通のおじさん」で女装も「特に奇麗というわけではない」という。独身で独り暮らしという容疑者は身元を隠すために女装したのではなく、あくまでも「女装は趣味」と供述。「女装で捕まるのが恥ずかしかった」と話しているという。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090112-OHT1T00110.htm