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2009年01月12日(月) 03時38分

アレルギーやがんを引き起こす仕組みの一部を解明 阪大グループ産経新聞

 リウマチなどの免疫異常を起こす難病や、アレルギーやがんなどが起こる一因となるタンパク質が活性化する仕組みのひとつを、大阪大学生命機能研究科の岩井一宏教授らのグループが解明した。新しい治療法や薬の開発への応用に期待される。12日付の英科学誌ネイチャーセルバイオロジー(電子版)に発表した。

 アレルギーやがんなどが起こる原因のひとつに、遺伝子の発現を調整するNF−kBというタンパク質の活性調節異状がかかわっていることが研究されているが、活性化の仕組みそのものについては明らかにされていない部分が多いという。

 岩井教授らは、細胞中の不要なタンパク質に結合する「ユビキチン」と呼ばれる物質の機能の研究をする過程で、特定のタンパク質にユビキチンのかたまりを結合させることで、NF−kBが活性化することを発見した。

 岩井教授は「多くの疾患にかかわっている仕組みなので、これが治療の可能性が広がる最初のきっかけになれば」と話している。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000505-san-soci