JR高架橋の耐震補強を従来の約4分の1の工期に短縮できる新工法を、JR西日本広島支社(広島市東区)が広島大や地元建設会社などと共同開発した。スペースが狭く店舗などが隣接する「難所」でも施工しやすく、支社を越えて全社に広げる。
新工法は、幅5センチ、厚さ0.2ミリのベルト状の炭素繊維を高架橋の柱に何重にも巻き付け、樹脂を流し込んで固定する。従来の鋼板ベルトとほぼ同じ耐震強度で重さは5分の1となり、重機を使わず施工できる。準備、撤収などを含め約1カ月かかっていた工期は1週間程度に短縮。店舗が隣接する場所でも営業への支障を抑えられるという。
同支社は1995年の阪神大震災を受け、管内の高架橋の柱7500本すべての耐震補強を順次実施。後回しとなっていた「難所」の克服に向け、2004年度から新工法の共同開発を進め、昨年度、広島駅などの5本で試験施工を重ねた。
【写真説明】建物に隣接するため新工法で補強された柱(左)