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2009年01月12日(月) 03時00分

<たんぱく質>アトピーなど誘発、仕組み解明 阪大教授ら毎日新聞

 免疫細胞やがん細胞を活性化させるたんぱく質で、過剰に働くとアトピー性皮膚炎やがんなどを招くと考えられている「NF−κ(カッパー)B」が、活動を始める仕組みの一つを、大阪大の岩井一宏教授(生化学)と徳永文稔准教授(同)らが発見した。治療薬開発の手がかりになる成果という。12日、英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」に論文が掲載される。

 岩井教授らは、人体の中で、不要になったたんぱく質の分解を担っているたんぱく質の一種「ユビキチン」に着目した。マウスの細胞を使った実験で、ユビキチンの分子が直列にいくつもつながった「ポリユビキチン」が、別のたんぱく質と結びついて、NF−κBに活動を始めさせることを確認した。

 NF−κBの活性化を抑える薬には、ステロイド剤などがある。しかし他のたんぱく質にも作用するため、さまざまな副作用が生じる。ポリユビキチンはNF−κBだけを活性化させているとみられるため、岩井教授は「ポリユビキチンの働きを抑えることができる物質を見つければ、今よりは副作用の少ない薬になる可能性がある」と話している。【野田武】

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