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2009年01月12日(月) 02時33分

<成人式>宮城地震の被災女性、亡き祖母が贈った振り袖で毎日新聞

 岩手・宮城内陸地震で最も被害が大きかった宮城県栗原市の成人式には834人が参加。実家が現在も避難勧告対象になっている同市花山中村、看護学校生、三浦知美さん(20)は、地震後に亡くなった祖母が贈ってくれた紫色の振り袖に手を通した。

 実家の窓枠はすべて外れ、土壁も崩れた。両親は今も仮設住宅暮らしが続く。両親が共働きのため、身の回りの世話はすべて祖母すみゑさんだった。地震のショックで体調を崩し「家に帰りたい」と繰り返しながら2カ月後の08年8月14日に75歳で亡くなった。

 07年から県内の看護学校へ通う知美さん。「明るくて人を和ませる性格だから向いている」というすみゑさんからのアドバイスで看護師を目指した。「晴れ着姿を、一番におばあちゃんに見てもらいたかった」と目に涙を浮かべながら「優しい看護師になりたい」と誓っていた。

 式では、父親が栗原市出身の縁でタレントのみのもんたさんが出席。みのさんは「講演依頼を受けた翌日に地震があり、びっくりした」と明かし「あなた方が、栗原市や宮城、日本の未来を背負うんだと言いたくて来ました。学問も仕事も、自分から追いかけて」と激励した。

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