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2009年01月12日(月) 02時33分

<サル山>年齢バランス必要と繁殖再開 札幌・円山動物園毎日新聞

 札幌市円山動物園は、10年前から個体数の抑制を続けてきたサル山のニホンザルについて、今年から繁殖させる方針を決めた。サル山の過密化を避けるために避妊対策を徹底してきたが、「年齢構成のバランスを取る必要が出てきた」(飼育員・朝倉卓也さん)のが理由だ。【佐藤心哉】

 サル山の面積は約570平方メートルで、収容能力は100匹が限界。94年に初めて100匹を超え、過密化によるストレスで仲間に対して攻撃的になるケースが見られたため、同園は99年、オスの精管を切り、メスには発情を抑えるホルモン剤を体内に埋め込む対策を取った。しかし、オスの精管は再びつながることがあり、ホルモン剤の効果の出ないメスもいたために子どもが生まれ続け、03年までに130匹を超えた。同園は03年にオスの再手術を実施したところ、その後は子どもが生まれず、ここ数年は90匹前後で推移している。

 一方、サル山の過密化がなくなった半面、今度はサル山全体の高齢化が進んでしまった。今のまま頭数抑制を続けると、将来、子どもを誕生させるべき時期が来たとしても、個体同士の年齢が離れすぎてしまう懸念が出てきたという。朝倉さんは「(年齢差が広がると)体力のない高齢のサルが、若いサルの暴走を止められなくなるなど、生活環境の悪化が懸念される」と話す。同園は毎年数匹のペースで増やすという。

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