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2009年01月12日(月) 02時30分

<北朝鮮>金総書記、日米と直接対話求める…面会の伊実業家毎日新聞

 【ローマ藤原章生】北朝鮮の金正日総書記の健康悪化説が流れ始めた昨年9月、総書記と直接面会したというイタリアの実業家兼経済学者、ジャンカルロ・エリア・バローリ氏(68)がローマで毎日新聞と会見した。同氏は総書記の「健康状態は良い」と健康悪化説を全面否定。「総書記からのメッセージ」として「北朝鮮は米国や日本との直接対話を求めている」と語った。

 同氏は昨年9月、平壌で開かれた北朝鮮建国60周年記念式典に参加し、総書記に面会したという。同氏は総書記について「健康状態は良く、以前よりも若々しく、力強く国を治めているという印象だった」と述べた。現在の総書記が替え玉であるとの説については「全くのデタラメ。彼は実利的な人なので、そういった余計な事はしない」と話した。

 同氏は、北朝鮮の対米関係について「北朝鮮はとにかく2国間交渉を求めている」と強調。「金総書記は00年にクリントン米大統領を招こうとした。米民主党への期待は高く、(もし米大統領選で民主党のオバマ上院議員が当選すれば)核問題や金融制裁で米朝交渉が一気に進展する、と望んでいた」と話す。

 また、日朝関係については「小泉元首相の訪朝で拉致問題が大きく前進したように、金総書記が望んでいるのは首脳級の対話だ。ただし、総書記の中には依然、朝鮮で植民地活動を行った日本に対しある種のメンテリティーがある。日本側はそれを決して忘れるべきではない」と述べた。

 バローリ氏は75年にイタリア国営放送の北京支局開設に携わった際、北朝鮮で金日成主席(当時)と知り合った。主席死去の94年7月、平壌で後継の金正日氏と初めて会談した外国人として知られる。イタリア高速道公団総裁や北京大などの客員教授を歴任。現在はイタリアの投資企業などの社長を務める。

 韓国での報道などによると、金総書記は昨年8月以降、何度か脳卒中を起こしている可能性がある。

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