2009年01月12日(月) 13時01分
ぼうさい甲子園:地域へ世界へ体験発信、出前授業や語る活動 神戸で表彰式 /兵庫(毎日新聞)
◇グランプリ・神戸学院大/選考委員特別賞・県立舞子高/はばタン賞・あしなが育英会
阪神大震災から14年を前に神戸市で11日開かれた「ぼうさい甲子園」(1・17防災未来賞)=毎日新聞社、兵庫県など主催=の表彰式で、全体で最高の賞のグランプリ(大学部門の大賞)に輝いた神戸学院大「学際教育機構防災・社会貢献ユニット」▽選考委員特別賞の県立舞子高▽はばタン賞のあしなが育英会「四川大地震遺児の心の癒(いや)し使節団」(いずれも神戸市)——に賞状などが贈られた。神戸学院大と舞子高は活動内容も発表、会場から大きな拍手が送られた。【高山梓】
神戸学院大は小学校などとタイアップしながら、防災教育キットを開発。阪神大震災の語り部とともに小学校で出前授業をしたり、カンボジア・インドネシアにおける海外研修を実施するなど、地域から海外まで幅広く目を向け、防災啓もう活動に取り組んでいる。
発表では、学習の一環で作成した小学生用の防災教育教材を使って出前授業を実施し、市民救命士講習を開催して多くの市民救命士を輩出するなど、知識が多くの地域で役立つよう、学外を重視した活動を紹介した。前田緑さん(4年)は「大学で学んだことを生かし、社会に出た後も地域住民の一人として発信したい」と話した。
舞子高は被災地・神戸を軸に培ったネットワークを生かし、国内外で活動。生徒10人がネパールを訪れ、現地の子どもら120人と3泊4日の防災セミナーを実施したり、四川大地震の被災地でボランティア活動などをした。国内でも子どもの視点での震災体験を語り継ぐ活動を続ける。
会場には四川の写真などを展示。発表では、ネパールとの交流の様子や、四川大地震後の中国で、中学生に対する防災教育の様子を伝えた。中川夏姫さん(3年)は「国際交流で防災の意識を広げることが認められてうれしい。その国に即した防災教育を考えていきたい」と話した。
あしなが育英会は、阪神大震災で親を亡くした遺児らが、四川大地震の発生5日後に新宿と神戸で緊急募金を実施。約2カ月後に現地を訪問し、子どもらと交流した。賞状を受け取った富岡誠さん(53)は「被災者が自分らの力で心のケアに取り組むきっかけ作りができたと思う」と話した。
〔神戸版〕
1月12日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090112-00000128-mailo-l28