11日午前零時20分ごろ、福山市旭町、パート従業員広本茂さん(61)方付近から出火、木造平屋の長屋約135平方メートルを全焼し、焼け跡から広本さんの遺体が見つかった。この火災の後、広本さん方周辺約2キロで計5件の不審火があった。福山東署は同日夜、同市紅葉町近くで自転車に乗っていた同市出身の無職藤井正二容疑者(46)を職務質問。12日早朝、放火の疑いで逮捕した。
藤井容疑者は逮捕容疑を含め、11日夜の2件については犯行を認めているという。
福山東署や福山地区消防局によると、広本さんは一人暮らし。広本さん方は東西に4室が並ぶ長屋の西から3番目。広本さん方以外は、1つは地元町内会女性部が倉庫として使用し、残る2つは空き家だった。広本さん方の西隣の空き家が激しく燃えていたという。
また同日午前1時20分ごろ、広本さん方から北西約250メートルの若松町、鉄骨4階建てビルの1階駐車場に止めてあったバイクの座席が燃え、約5分後にはビルから西に約150メートル離れた同町の民家の軒先にあった段ボールなどが焼けた。同日午前3時20分ごろ、三吉町の市三吉ふれあいプラザ内から出火し、木造平屋の和室にあった机が燃えた。プラザ入り口の窓ガラスが割れていたという。
さらに、同日午後10時45分ごろ、4件の現場から西へ約2キロの南本庄3丁目のごみ収集所で、ごみ箱などが燃えた。約35分後には、近くの紅葉町で駐車場に止めてあった乗用車が全焼した。
福山東署は広本さん方の火災も不審火の可能性があるとみて調べている。
【写真説明】煙を上げて燃える長屋の消火に当たる消防署員(11日午前0時40分、福山市旭町)