平和学習で広島市を訪れた京都府の立命館宇治中2年生が11日、中区で被爆ピアノと対面した。初めて広島への平和学習を企画した中学側の申し出に、「県外の子どもにヒロシマを学んでほしい」とピアノを管理する市民団体が応じた。
ピアノの元の持ち主は学徒動員先の中区で被爆し、翌日に西区三滝本町の自宅で亡くなった河本明子さん=当時(19)。ピアノは自宅で被爆し、明子さんの母親が保管してきたが、市民グループ「HOPEプロジェクト」が2005年に譲り受け修復した。
この日、2年生16人がピアノを見学した。HOPEプロジェクトの須藤とみゑ代表(59)=西区=から、戦争中、ピアノの練習ができず悩んだ明子さんの話を聞いた。爆風でガラス片が刺さったピアノを囲み、試し弾きしてけん盤の感触を確かめた。
【写真説明】被爆ピアノを弾く立命館宇治中の生徒