広島市東区尾長西の児童養護施設「広島修道院」が1月、設立120周年を迎える。広島県内の11施設で最も歴史が古く、これまで1万人以上が巣立った。18日に節目を祝う式典を開き、支えてくれた人々への感謝の思いを新たにする。
修道院は1889年、尋常小学校の校長だった北村藤三郎氏が貧しい家庭の児童にも教育の機会をと、若草町の自宅を開放したのが始まり。原爆で全施設が焼失したが、2年後には資材を職員が集めて復興した。
1987年には、2歳までの子どもを受け入れる乳児院も開設し、現在地に移転。運動場やプールも備えた施設に生まれ変わった。現在は0—18歳までの約120人が共同生活している。
親の死亡などで養育者のいない子どもが主だったが、最近では経済的な理由や親の養育拒否、虐待を受けて入る子も増えた。心理療法士6人が心のケアにも当たっている。
【写真説明】「子どもたちが自立できるよう育てていきたい」と話す桐原秀雄理事長