広島県北広島町の簡易水道事業をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された町上下水道課主任藤沢定由容疑者(50)が水道事業を担当した1998年度以降の約10年間、贈賄容疑で幹部社員らが逮捕された隔測計装(福岡市南区)が、合併を挟んで町内の水道関連の電気設備工事15件すべてを落札していたことが10日、町の調べで分かった。
町が集計した資料によると、98年度から本年度までに隔測計装は、贈収賄の舞台となった芸北地区統合簡易水道事業(2004—08年度)のほか、農村総合整備や中山間地域総合整備、配水池整備など水道事業に絡む電気設備関連工事をすべて落札。受注額は15件で約4億7000万円に上るという。
藤沢容疑者は88年に旧芸北町職員に採用。98年4月から同町建設整備課で水道事業を担当するようになった。05年2月の合併を挟み、07年4月からも本庁上下水道課で引き続き水道事業を任されていた。町は「それぞれの事業を(藤沢容疑者が)担当していたかどうか調査する」としている。
贈収賄事件の舞台となった簡易水道事業では、隔測計装が落札した計6件の関連工事のうち、少なくとも4件について同社だけが予定価格を下回る金額で応札していた。