サッカーの全国高校選手権で10日、鹿島学園(茨城)を下し、広島県勢で40年ぶりに決勝進出を決めた皆実の応援席は歓喜に包まれた。
学校からは生徒や教職員、保護者ら百数十人が応援に駆け付けた。生徒の手には、荒木健一前校長と中島伸夫前PTA会長が、厳島神社でお払いを受けて寄付した長さ90センチの大しゃもじも。寒風の中、半そで姿で声援した2年生のサッカー部員、前右京君は「ピッチの選手はもっと厳しい思いをしている。一緒に戦っているつもりです」と声を張り上げた。
後半12分、金島悠太選手の今大会初ゴールで先制すると、全員が喜びを爆発させた。父親の会社役員聡吏さん(42)=安芸高田市=は「仲間のおぜん立てのおかげです」と目を細めた。
試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、全員が立ち上がり、生徒たちは抱き合って勝利の感激を表現した。
【写真説明】緑のメガホンを手に決勝進出を喜ぶ皆実の生徒ら(撮影・荒木肇)