古式にのっとり、建設工事の安全と繁栄を祈る「手斧始(ちょうのはじめ)」が10日、岩国市横山の吉香公園であった。市内の建築士や大工らでつくる「木の会」の主催。関係者ら約130人が見守る中、厳かに儀式が進んだ。
岩国藩主だった吉川家所有の山林から切り出した樹齢約80年のヒノキ(直径35センチ、長さ4メートル)を神木に使用。地域住民らが台車に載せ、公園内の特設祭壇前まで運び込んだ。
祝詞の後、狩衣(かりぎぬ)姿の会員が、神木を計測し墨を打つ動作を披露。「手斧柝(ちょうのはつり)の儀」では、「エイッ、エイッ」と声を上げ、斧を神木に打ち込んだ。
【写真説明】狩衣をまとい神木に手斧を打ち込む木の会の会員