「介護崩壊」をテーマにした広島県民フォーラムが10日、広島市中区の広島厚生年金会館であった。県医師会などでつくる「21世紀、県民の健康とくらしを考える会」の主催で、介護士や市民ら約1400人が集い、安心できる介護のあり方を考えた。
県立広島大保健福祉学部の村上須賀子教授が「どうする介護難民」と題して講演。医療機関での療養病床の削減が進み、担い手不足から介護施設も増えないなどと要介護者が行き場に困る現状を報告し、「介護崩壊を止めるには、介護従事者が声を上げるべきだ」と訴えた。
続いて県内の医療ソーシャルワーカーたちが、病棟閉鎖で介護施設探しに苦心する高齢者と家族の事例を寸劇で紹介。要介護度の認定で認知症が反映されにくいなど、制度の問題点を挙げた。地元出身のタレント島田洋七さんも講演し、介護現場での「笑い」の効用を説いた。
【写真説明】介護現場の課題を分かりやすく紹介しようと、医療ソーシャルワーカーが披露した寸劇