中小企業の資金繰り支援のため、島根県が昨年11月に創設した緊急の制度融資の利用額は昨年末までに182億円に上った。他の融資と合わせた県の中小企業制度融資の年間枠450億円の約4割に相当する額で、中小企業を取り巻く状況の厳しさが裏付けられた格好だ。
「資金繰り円滑化支援緊急資金」は11月19日からスタートした。県中小企業課によると、同月の取扱額は10億7300万円(52件)だったが、12月は171億100万円(862件)と大幅に増えた。
同資金は利率が1.7%と低く設定してあり、融資期間も10年と長い。同課は「売り上げや受注の減少で運転資金が厳しくなっているのに加え、借り換え需要もあったのではないか」と分析。1、2月はやや需要が落ち着くものの、3月には再び高まるとみている。