2009年01月11日(日) 11時21分
刑事36年・八王子の萩生田さん「警視庁捜査二課」出版(読売新聞)
東京都八王子市打越町の萩生田勝さん(59)が約36年に及ぶ警視庁刑事時代を回顧した「警視庁捜査二課」(講談社刊)を出版した。
萩生田さんは高校卒業後、1968年に警視庁に入った。2007年8月に捜査2課管理官(警視)で依願退職するまで、主に刑事畑を歩んだ。中でも贈収賄や詐欺、選挙違反などを担当する捜査2課が長かった。
萩生田さんが本を執筆しようと思ったのは、この1、2年の間に団塊の世代のベテラン刑事が大量退職していくことを受けて、自分の経験を後輩たちに伝えようと考えたため。周りを見ても、情報収集や取り調べにたけ個性的な刑事たちは、自分の捜査技術を後輩に伝えるのが苦手な人が多かった。自分の中で警察官人生に区切りをつけたいとの思いもあった。
著書は、KDD(国際電信電話)事件や東海銀行秋葉原支店巨額不正融資事件、日本道路公団汚職事件、農林水産省汚職事件、そして外務省の外交機密費流用事件など、萩生田さんが手がけた思い出に残る大事件を中心に構成されている。
派手に報じられる事件の陰で、端緒から内偵、そして逮捕に至るまでの苦労や喜びがエピソードを交えながら書かれている。何よりも捜査にかける熱い思いが伝わってくる。
萩生田さんは「捜査2課の魅力は自分で事件が見つけられること。数多くの大事件を手がけることができ、本当に恵まれた刑事生活でした」と話している。
本はB6判、全286ページ、定価1600円(税別)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090110-00000071-yom-soci