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2009年01月10日(土) 23時54分

Bグル王もてもて、厚木のシロコロに飛行機で来る客も読売新聞

炭火でコロコロと焼けたシロコロ

 厚木市を中心に食べられてきたホルモン焼き「シロコロ・ホルモン」(豚の大腸)が、昨年11月に福岡県久留米市で開かれたB級グルメの祭典「第3回B—1グランプリ」で優勝して一躍有名になり、厚木市内のホルモン焼き店が多数の客でにぎわっている。

 遠方から新幹線や飛行機を使ってやってくる人たちもいる。

 昨年12月21日。同市旭町のホルモン焼き店「大ちゃん旭町本店」には、鹿児島県薩摩川内市から訪れた男女4人がいた。その中の1人の会社員鈴木慎也さん(35)は、3月に厚木市に住む友人に同店に連れてこられ、シロコロがすっかり気に入った。この日は、地元の飲み仲間3人を誘って、朝から飛行機でやって来ていた。

 一緒に来た会社員井手潤三さん(43)は「じわっとにじみ出る脂が最高。B—1で優勝しただけのことはある」とうなずいた。

 「鹿児島から来たというから、鹿児島出身かと思ったら……」と経営者の大谷信夫さん(60)。同店には「大阪から新幹線で小田原に着いた。どう行けばいいのか」「名古屋から東名高速道路で来て、厚木インターチェンジにいる」といった電話もあったという。

 シロコロは、シロと呼ばれる豚の大腸を筒状のまま水洗いしぶつ切りにしたもの。網の上で焼くと、コロコロと膨れる様子から、この名がついた。通常、豚の大腸は裂いて平らにし、内側の脂を落として皮だけにし、ボイルした後に出荷されるが、シロコロは脂を残しており、たっぷりうまみがある。

 厚木市には国内最大規模の食肉処理会社があることから、ホルモン焼き店が多く、シロコロは戦前から食べられていた。現在は市内の約50店で出している。

 同市本町の「鬼乃家」では、1日平均の客数が、以前の1・5倍の約150人に増えたという。市外から来たというグループが毎日4〜5組はある。店長の小川友樹さん(31)は「どこから来たか話さないお客さんもいるので、遠くから来た人はもっと多いのでは」と語る。

 「シロコロでまちおこしを」と考え、同市商店会連合会の有志が「厚木シロコロ・ホルモン探検隊」を結成したのは2年前。隊長の中村昭夫さん(45)は「大勢の人がシロコロを食べに厚木に来てくれることで、市の活性化につながれば」と顔をほころばせた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090116-754442/news/20090110-OYT1T00914.htm