広島県北広島町の簡易水道事業をめぐる贈収賄事件で、贈賄容疑で幹部社員らが逮捕された隔測計装(福岡市南区)が落札した計6件の関連工事のうち少なくとも4件について、同社だけが予定価格を下回る金額で応札していたことが9日、町の調べで分かった。収賄容疑で逮捕された同町上下水道課主任藤沢定由容疑者(50)=同町才乙=が絡み、同社が予定価格を推測できる立場にあったとみられ、県警が入札の経緯など捜査を進めている。
県警の調べでは、隔測計装は2006年5月末、予定価格1億円余の関連工事を9600万円で落札。落札率は95.6%で、同事業を実質的に取り仕切っていた藤沢容疑者が予定価格設定の際、別業者を通じて隔測計装に出させた見積もりを基にしていた疑いがあるという。
町によると、隔測計装は05年度から、同事業に絡む計器類などの設備工事計6件、約3億円分をすべて受注。残る5件のうち4件の落札額はいずれも、入札に参加した業者で唯一、予定価格を下回り、98.2—92.9%の高落札率だった。
町の入札制度では、設定された予定価格を下回った上で、その価格の75%の最低制限価格を原則上回る必要がある。隔測計装は6件すべての入札で予定価格と最低制限価格の間の金額で応札していた。入札に参加した4—5社はほぼ同じ顔ぶれだった。