中国電力島根原子力発電所2号機(松江市鹿島町)のプルサーマル計画で、国は9日、安全審査や施設の耐震性を「妥当」とした結論を松江市議会などに報告した。市と市議会は2月25日開会予定の定例会をめどに、受け入れ可否の方向性を示す見通しで、最終判断に向けた市の協議は本格化した。
この日は市議会原発対策特別委員会(原特委)と全員協議会に続き、地元代表者でつくる原発環境安全対策協議会も開かれた。経済産業省資源エネルギー庁と原子力安全・保安院、内閣府原子力安全委員会、中電が、市が可否の判断材料にする21項目の質問に対する回答について解説した。
一部の市議から「耐震設計上考慮すべき活断層」の長さがこれまで変わってきた点を批判する声が出たのに対し、保安院の佐藤均審議官は「『どうなっているのか』という指摘はその通り。ただ、大事なのは新知見に対応し、必要な補強をすること」と述べた。
市議会原特委では現在、プルサーマル関連で反原発団体からの陳情・請願2件を審議している。田中弘光議長は「今回の説明だけでの理解は難しい。ただ次の定例会までに一定の方向性を示すことになると思う」とし、原特委での審議結果を議会判断のベースとする見通しを示した。
【写真説明】市議会全員協議会で、国と中電にプルサーマル計画や原発の耐震性について質問する市議