2009年01月10日(土) 17時03分
覚醒剤密売イラン人、4カ国経由し不法入国 「日本はもうかる」(産経新聞)
■偽旅券求めトルコ→ギリシャ→オランダ→スペイン…
大阪市内の住宅街で、イラン人の男が大量の覚醒(かくせい)剤などを密売していた事件で、逮捕・起訴されたイラン国籍のアリ・レザ・ジャムシディ被告(31)が、来日するために欧州の複数の国を経由して入国していたことが10日、近畿厚生局麻薬取締部の調べで分かった。日本とイランの間では現在、相互のビザ免除措置が停止中で、正規旅券でも入国審査が厳しく、ジャムシディ被告はビザ免除国の偽造旅券を求め、複雑なルートをたどったとみられる。
ジャムシディ被告は「日本に行けば薬物の密売でもうかると聞き、お金を稼ぐために来た」と供述。イランに妻と2歳の子供を残しての入国で、捜査関係者は「失敗や危険を冒しての入国。日本での密売がいかに魅力的かを示している」と警戒を強めている。
調べでは、ジャムシディ被告は昨年8月上旬にイランを出国後、トルコ、ギリシャ、オランダ、スペイン、オランダの延べ5カ国を経て9月4日に成田空港に到着。約1週間後には大阪市東成区内で密売を始め、2カ月で約6300万円を売り上げた。
供述によると、イランからトルコへは正規旅券で出国。トルコでイラン人旅券ブローカーに正規旅券を預けた後、モーターボートで海上からギリシャへ密入国を図ったという。
ギリシャでは国境警備隊に見つかって銃撃を受け、身柄を拘束された。しかし、アフガニスタン人を名乗ったため「難民」として釈放されたという。その後、ギリシャのイラン人ブローカーから写真を張り替えた英国籍の偽造旅券を入手し、日本に入国していた。
ジャムシディ被告は2007年11月ごろにも日本への入国を試みて、失敗。この時はアイルランド国籍の偽造旅券でマレーシア、中国・マカオを経由する東南アジアルートで入国予定だったが、隠していた正規旅券をマカオの入管当局に見つかり、断念したという。
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