2009年01月09日(金) 15時00分
阪神大震災14年:和太鼓で次世代に発信 「鼓情炎」リーダー・山中さんら /兵庫(毎日新聞)
◇被災者の話聞き、書き下ろし オリジナル曲初披露も−−あす尼崎でチャリティーコンサート
和太鼓の演奏を通じて、阪神大震災を次世代に伝えようと、尼崎市西立花町3の短大2年、山中裕貴さん(20)らが、尼崎市総合文化センターで10日に開くチャリティーコンサートへ向け練習に励んでいる。同市で活動する小中学生のグループなど6団体が出演。震災をテーマに作ったオリジナル曲も初披露され「子どもたちと一緒に、音楽を通じて発信したい」と意気込む。【辻加奈子】
山中さんは大阪音大短大部で学びながら、尼崎市を中心に活動する太鼓集団「鼓情炎(こじょうえん)」のリーダーを務めている。和太鼓は小学5年から始めた。短大でも打楽器を専攻し、卒業後はプロの和太鼓奏者として独立する。
震災の風化が心配されるようになった数年前から、指導する子どもたちに和太鼓演奏を通じて震災を意識させようと、コンサートの企画を温めていた。
震災当時、山中さんは6歳。母親と一緒に毛布にくるまり、激しい揺れが収まるのを待った。食器棚やテレビが倒れ、破片が床一面に飛び散った。印象は強烈に残っているが、コンサート用に資料を集めるうちに、実は自分が震災をよく知らないことに気付いた。資料館や図書館を訪ね、経験者に話を聞いた。改めて感じたことを元に曲も書き下ろした。「子どもたちのために始めたつもりだったが、僕が勉強になった」と振り返る。
チャリティーコンサートでは6団体が計13曲を演奏する。チケットは既に完売した。収益は日本赤十字社に寄付する。
〔神戸版〕
1月9日朝刊
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090109-00000175-mailo-l28