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2009年01月09日(金) 09時58分

別業者の見積もり基に入札中国新聞

 広島県北広島町の簡易水道事業をめぐる贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された同町上下水道課主任藤沢定由容疑者(50)=同町才乙=が工事発注に際し、贈賄容疑で幹部社員らが逮捕された電気工事会社「隔測計装」(本社・福岡市南区)に別業者を通じて見積もりを出させ、その見積額を基に予定価格が設定され、入札が行われていた疑いが強いことが8日、広島県警の調べで分かった。

 隔測計装は予定価格を予測できる立場で入札に参加し落札したとみられ、県警はこうした取り計らいが便宜に当たるとみて調べる。県警などによると、2006年5月末に入札があった簡易水道事業の関連工事は、町の委託を受けた広島市内に事務所のある設計業者が設計を担当。設計業者は隔測計装に見積もりを依頼、見積額は設計業者を通じ藤沢容疑者に伝えられたという。予定価格はこの見積額などを基に約1億円と設定されたとみられる。入札参加業者には隔測計装など5業者が選ばれ、同社が最も低い9600万円で落札した。

 北広島町によると、藤沢容疑者は逮捕前の町の聞き取り調査で、設計業者に隔測計装などから見積もりを取るよう指示した、と説明したという。県警は、隔測計装は入札に参加した一部の業者に入札以前、自分の会社よりも高く見積もるよう働きかけていたとみている。さらに、事業を中心的に担い、入札参加者選定などに影響力を持っていた藤沢容疑者が自らの立場を利用、業者と癒着し便宜を図ったとみているが、業者間の調整も不正の背景にあった疑いもあるとみて実態解明を急ぐ。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901090038.html