2014年に計画される米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機部隊移転をめぐり、防衛省は廿日市市に新たに騒音測定器を設置する方針を決め、時期や場所などについて市と協議に入った。市側は影響が懸念される世界遺産の島・宮島や対岸の大野地区の沿岸部への設置を要望しており、調整が終わり次第、設置される見通し。
移転に反対を続ける市は昨年9月、林芳正防衛相(当時)らに要望書を提出。騒音問題に対する科学的データに基づく説明や移転計画について積極的な情報提供などを求めた。これを受けて同省が11月下旬、市に測定器設置を申し入れた。同省は現在、岩国市のほか、山口県和木町、周防大島町、大竹市に既に測定器を置く。廿日市市への設置は艦載機移転が前提で、同省は「地元の懸念に配慮し、現状と移転後の騒音変化を把握したい」と説明する。これに対して市は反対の姿勢は変えず、「まずは現状の正確な把握を」としている。