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2009年01月09日(金) 09時58分

被爆前後の繁華街映像を寄贈中国新聞

 昨年7月に見つかった被爆前後の広島市本通りなどを映した8ミリフィルム48本を、撮影者の長男で保管してきた安佐北区の吉岡宏夫さん(82)が8日、中区の市公文書館に寄贈した。爆心地付近を定点記録した映像は希少で、市は企画展での公開を計画している。

 高野和彦館長が吉岡さん宅を訪ね、フィルムを丁寧に段ボール箱に入れた。吉岡さんは「映っている人はもうほとんど生きていない。少しでもいいから、今の人たちに当時を知ってもらいたい」と願いを託した。

 フィルムは、本通りの革屋町で服地店を営んでいた父の故信一さんが、1937年ごろから撮影した。約3時間半分の映像には、今は平和記念公園になった一帯まで延びていた本通りの被爆前のにぎわいが収められている。胡子大祭(えびす講)に合わせた売り出し「誓文払い」は華やかさが際立つ。被爆後は、46年1月ごろとみられる焼け野原の映像が約2分半残っている。

【写真説明】貴重な8ミリフィルムを市に託した吉岡さん

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200901090026.html