映画「鉄道員(ぽっぽや)」をモチーフに福山市水呑町の画家杉原昇司さん(58)が描き、主演の高倉健さんに贈った南画が、ロケ地の北海道・南富良野町の役場に展示されている。「作品ゆかりの地で多くの人に鑑賞してもらいたい」。高倉さんの計らいに、杉原さんも感激している。
杉原さんは約40年来の「健さんファン」。2006年、鉄道員の場面を切り取った作品5点を制作した。翌年には、知人でもある原作の著者浅田次郎さんに、作品にちなむ文章である画賛を入れてもらった。浅田さんらに3点を贈り、残ったのは2点。「おこがましいのではないかと遠慮していたが、決心した」と昨年7月、1点を高倉さんに贈った。
贈った作品は幅70センチ、縦30センチ。鉄道員の制服を着た高倉さんの上半身が描かれ、浅田さんが「出発進行」と画賛を記している。すぐに高倉さんからお礼の手紙が届いた。手紙をやりとりする中で、高倉さんが「ぜひロケ地の南富良野町に飾りたい」との意向を伝えてきた。杉原さんは快諾し9月、役場に飾られた。町からは感謝状が届いた。
14—18日、天満屋福山店(元町)で杉原さん主宰の南画愛好家グループの展示会がある。高倉さんを描いた杉原さんの新作も出展される。
【写真説明】手元に残る高倉さんを描いた作品と南富良野町から贈られた感謝状を手にする杉原さん