広島市中心部の百貨店の年始商戦は、景気悪化の影響で前年より売り上げを落とす店が目立っている。生活必需品の入った福袋が人気を集める一方、婦人服などの動きはいまひとつ。各店は年始セールの対象品の再値下げ時期を前倒しするなどして需要喚起を図る。
福屋八丁堀本店(広島市中区)は、3日に始めたセールの売り上げが「前年を下回った品目が多く、全体はマイナスで推移している」。タオルや毛布など生活用品は減少幅が少なく、初売りの3日には寝具類の福袋が開店から1時間で完売するなど実用品が人気という。
天満屋八丁堀店(同)は2—7日の売り上げが前年比10%減。紳士服は高額のカジュアル衣料が好調だったが、婦人服は15%減。アクセサリーが入った5万円や10万円の高額福袋も不振で「必要なものを必要な分だけ買う志向が強まった」とみる。
三越広島店(同)は2—4日の売り上げが前年並み。福袋は米や靴下類などの動きが良かった。セールは、一部の高級ブランドが例年よりも対象品目を増やしたり、セール時期を早めたりした。
そごう広島店(同)は2—7日の売れ行きが「前年よりも苦戦している」。野菜の詰め放題、コートや手袋などが入った中身が見える婦人服の1万円の福袋は好調だったものの、婦人用の重衣料を中心に苦戦した。
【写真説明】苦戦が続く百貨店の年始商戦。婦人服や高額品の伸び悩みが目立つ(広島市中区)