広島県北広島町の簡易水道事業をめぐる贈収賄事件で、同町上下水道課主任藤沢定由容疑者(50)=同町才乙=への贈賄容疑で逮捕された業者が広島県警の調べに対し、「(藤沢容疑者が受け持つ)工事の検査がスムーズに進んでほしいとの思いもあり、接待した」という趣旨の供述をしていることが9日、分かった。
町によると、贈賄容疑で幹部社員らが逮捕された「隔測計装」(本社・福岡市南区)が2006年5月の指名競争入札で落札した事業の関連工事は、藤沢容疑者が完成検査などを担当。県警は、施設の設計や監督などの実質的な権限を持つ藤沢容疑者が、こうした落札後の検査過程でも業者に便宜を図っていないかどうかも調べる。
これまでの調べで、県警は藤沢容疑者が、同社に便宜を図って工事を落札させた見返りなどとして06年6月上旬から8月上旬、韓国旅行や飲食、観劇など計約23万円相当の接待を受けたとみており、9日午前、藤沢容疑者を収賄容疑で、隔測計装広島営業所長ら3人を贈賄容疑でそれぞれ送検、経緯などの捜査を進める。