イノシシ増加の原因や生態を解明しようと、広島大大学院生物圏科学研究科の谷田創教授(51)が野外研究を強化している。広島県北広島町の集落にカメラを増設し頭数や出産時期を調査。DNA解析を通じ移動の実態にも迫る。食べ物の好き嫌いも調べ、農作物被害の対策に役立てる。
谷田教授らは、北広島町大朝の宮松集落に、動物の体温を感知してシャッターを切るデジタルカメラを約20台設置。2007年まで同町の別の集落に設置した3台から大幅に増やした。昨年秋から宮松集落に流入する頭数や年齢を調べている。
調査では、春ごろに見られる生後約2カ月のうり坊が秋に確認されている。谷田教授は、温暖化の影響などでイノシシが本来の春に加え秋にも出産し、頭数増につながっている可能性を指摘。09年度末まで調査する。