雲南市教委は8日、同市木次町の万場I遺跡で、縄文時代の漆文様入り「彩文土器」が出土した、と発表した。北部九州起源の土器に、東北日本で生まれた漆塗りの文様が描かれており、専門家によると両地域の文化が融合した土器の出土は全国でも珍しいという。
出土したのは2種類のつぼ型土器の破片など計4点。うち2点には東北日本由来の「C字文様」と呼ばれる楕円(だえん)の文様があり、漆を混ぜた黒と赤の顔料で彩られている。土器自体は縄文晩期後半の北部九州に起源を持つ「夜臼(ゆうす)系土器」。九州の文化が、同時期に古代出雲地方にまで伝わっていたと類推できるという。
島根・鳥取両県の埋蔵文化財調査センター主催の速報展で展示する。島根会場は県立石見美術館(2月21日—3月15日)、鳥取は県立図書館(1月21日—2月15日)。
【写真説明】北部九州が起源の夜臼系土器に、漆塗りの文様が描かれた縄文時代晩期後半の彩文土器の破片