5月に始まる裁判員制度について、読売新聞がインターネットでアンケート調査を行ったところ、回答者の7割が一定の参加意欲を示す一方、今年の裁判員候補者として名簿に登録されたという人の多くが、自分が裁判に参加することに不安を感じていることが分かった。
法律の知識がないことや死刑判決を選択するかもしれないことへの不安が根強く、法曹三者は制度について国民に丁寧な説明を重ねる必要がありそうだ。
アンケートは、読売新聞の無料会員制サイト「yorimo(ヨリモ)」で昨年12月9日〜1月4日に実施。1万3089人(男性5288人、女性7801人)から回答を得た。
回答者全員を対象に、裁判員に選ばれたら裁判に参加したいかを聞いたところ、「ぜひ参加したい」は全体のほぼ3割にあたる4361人、「参加したくないが、義務だから仕方なく参加する」が約4割の5266人。「参加したくない」は3割弱の3462人だった。
今年の裁判員候補者となったことを知らせる通知が自分あてに届いたと答えた人は127人で、このうち辞退希望などを回答票に記入して裁判所に返送した人は33人。辞退理由は、「仕事に重大な支障が生じる」(12人)、「介護や保育を必要とする家族がいる」(8人)などが多かった。
一方、裁判員候補者の通知が届いたという人の中で、辞退を希望せず、回答票を返送していないと答えた人は90人。この人たちに裁判へ参加することに不安があるかどうかを聞いたところ、「不安がある」(66人)が「特に不安はない」(21人)を大幅に上回った。
どんな不安があるかについては、「法律の素人なので、ちゃんと判断できるか自信がない」(44人)、「死刑が求刑された事件で、死刑判決を選択できるかどうか不安」(37人)、「守秘義務が課され、裁判が終わった後、一生話すことができない内容があることが不安」(36人)、「被告に逆恨みされるか心配」(31人)の順だった(複数回答可)。「自分が人を裁く手伝いをすることを重く感じる」(50歳代女性)、「残虐な事件を担当して内容を克明に知れば、ショックを受けるだろうし、怖い」(40歳代女性)という心配の声も寄せられた。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081128-033595/news/20090109-OYT1T00088.htm