記事登録
2009年01月08日(木) 21時01分

おばあちゃんパンダ虐待?ネット書き込みで飼育員停職に読売新聞

 【香港=竹内誠一郎】中国広東省の深セン市野生動物園で、「25歳の老パンダが虐待されている」とのネット上の書き込みをきっかけに、担当飼育員が停職処分となり、四川省からパンダの専門家が調査に駆けつける騒ぎが起きている。

 同園によると、問題のパンダは、正式名称「1号」、愛称は「ヨンパ(永巴)」の雌で、これまでに12頭を出産し、繁殖に貢献したとして「英雄お母さん」の異名もある。人間の年齢では70歳以上に相当する「ヨンパ」は、2004年、四川省の臥竜パンダ保護基地から同園に移ってきた。

 5日に書き込まれたネット掲示板は、「彼女が悲惨な晩年生活を送っている」とし、見物客との記念撮影に利用され、食事も満足に与えられていないと指摘。掲示板へのアクセス数が2日間で10万件を超えたほか、国内メディアの報道も相次ぎ、社会問題となった。

 同園は7日、内部調査の結果、「生活環境に問題はない」と反論する一方、見物客に記念撮影をあっせんして「私腹を肥やしていた」飼育員を停職とし、デジカメ写真の販売で共謀していた園内の商店も閉鎖したことを明らかにした。

 さらに同保護基地などに専門家の調査も依頼し、飼育環境の正当性を証明する構えで、パンダに強い関心を寄せる国内世論への対応に追われている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090108-00000054-yom-int