記事登録
2009年01月08日(木) 20時53分

<定額給付金>止まらぬ迷走 使途・対象で与党の見解乱立毎日新聞

 定額給付金を巡って国会で攻勢を強める野党に対し、与党内の足並みは一向にそろう気配がない。自民党の細田博之幹事長が「国会議員ももらって使うべきだ」と発言したかと思えば、今度は額賀福志郎元財務相が8日、給付金を党に集約して社会福祉などに役立てる独自案に言及した。法案提出後の迷走ぶりは、政府・与党が制度設計を途中で自治体に丸投げしたツケとも言える。【中田卓二】

 「1週間ほど考えた。自民党は(議員から)給付金を集め、社会福祉関係の団体への寄付とか、障害者が作った物の購入を検討してはどうか」。額賀氏は、所属する津島派の会合でこう提案し、その後、細田氏にも伝えた。

 山崎派の会合では平沢勝栄衆院議員が「定額給付金を受刑者にも配るのか。地元の葛飾区(東京)では問題になっている」と批判。山崎拓前副総裁が「その議論は法案を出す前にしないといけない」とたしなめた。

 混乱の原因になった細田氏の発言も尾を引いている。自民党内では「なぜわざわざ言い出したのか。せっかく批判が沈静化してきたのに」との細田氏への不満がくすぶる。

 一方で「公明党震源地説」も浮上。麻生太郎首相が4日夜、与党幹部らと会食した際、公明党の北側一雄幹事長が「『景気対策として首相ももらっている』と言った方が選挙に有利だ」と持ちかけ、同席していた細田氏が賛成した−−というものだ。これに対し、公明党幹部は「北側さんは野党から突っ込まれないよう閣僚答弁を統一してほしいと言っただけだ」と否定した。

【関連ニュース】
定額給付金:年度内支給は困難 予算委で首相答弁
麻生首相:定額給付金、撤回を改めて拒否…衆院予算委
定額給付金:受け取り、閣内で微妙な違い 参院答弁
定額給付金:「議員は歳出削減の努力を」 中川秀元幹事長
定額給付金:「議員は受給を」と自民幹事長 与党また迷走

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090108-00000112-mai-pol