記事登録
2009年01月08日(木) 20時29分

<オバマ次期大統領>演説で景気対策説明 就任前に決意示す毎日新聞

 【フェアファクス(米バージニア州)及川正也】オバマ次期米大統領は8日(日本時間9日)、経済問題について演説し、低迷脱却に向けた総合景気対策の詳細を説明、支持を訴える。大統領選勝利後初の政策演説で、20日の就任式に先立ち景気浮揚への決意を示すことで新政権の求心力を高める狙いがある。

 オバマ氏が掲げる景気対策は「アメリカの再生と再活性化プラン」と名付けられ、今後2年間で300万人超の雇用を確保・創出するのが目標。悪化を続ける失業率をにらみ、「迅速な行動が必要」と訴える。

 景気対策の総額についてオバマ氏は約8000億ドル(約70兆円)規模になることを認めているが、今後の議会内の調整で増額される可能性にも含みを残している。ただ、1兆ドルの大台に乗せることには財政規律維持の観点から慎重だ。

 景気対策の柱は大規模公共事業と3000億ドル規模の中産層や中小企業向けの減税措置。橋や道路建設、省エネ化のための全連邦政府ビル改修などのほか教育、環境やエネルギーなどへの公共投資で雇用機会を広げる。

 米国の09会計年度(08年10月〜09年9月)の財政赤字はオバマ氏の景気対策を含めずに過去最大の約1.2兆ドルに達すると予想されている。オバマ氏は「経済状況は深刻だ」として景気対策による経済活性化を最優先させる考えを示す一方、財政赤字拡大を警戒し、議員による地元利益誘導型の歳出項目を一切排除する方針も示すとみられる。

【関連ニュース】
赤字1兆ドル…オバマ次期大統領が見通し
オバマ次期大統領:27兆円減税計画 景気刺激策の一環で
オバマ次期大統領:経済再生が最大課題 ワシントン入り
米国:民主委員長にケイン氏 オバマ氏側近
オバマ次期大統領:中東問題、外交最初の「試金石」に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090108-00000100-mai-bus_all