記事登録
2009年01月07日(水) 13時01分

阪神大震災:追悼の明かり、今年も 島本の「竹工房」、竹灯ろう100基発送 /大阪毎日新聞

 ◇無言の祈り
 ◇ボランティア団体、神戸へ
 阪神大震災を語り継ごうと、地元特産の竹を使った竹灯ろうを07年から神戸市に送っている島本町のボランティア団体「竹工房」が、1月17日のメモリアルイベント用に、約100基の竹灯ろうを作った。当日は同市中央区の東遊園地で追悼の明かりがともる。【衛藤達生】
 同町はタケノコの名産地。豊富な竹を使って活性化を図ろうと、98年に設立した竹工房は、竹炭や竹細工を販売。その資金を利用して、竹灯ろうをともした舞台で雅楽や舞を楽しむ「かぐや姫の夕べ」などのイベントを催している。
 「地元の人に頂いた竹なので、地元のために使うのが基本」と代表の蔵本啓吾さん(68)。しかし、大震災の記念イベントは特別だ。蔵本さんは震災直後に神戸にボランティアとして入り、給水車がたどり着けない避難所に水を運んだ。「倒壊していないと思ったマンションが、よく見ると1階部分が潰(つぶ)れていた」と、今でも被災直後の様子を詳細に覚えている。
 また、事務局長の松浦文夫さん(68)も、会社の同僚や得意先の安否確認のために神戸の街を走り回った。「大阪にいるだけだったら、あの悲惨さは分からなかったかもしれない」と言う松浦さん。「竹灯ろうには、被害に遭った人たちへの無言の祈りを込めている」と話す。
 竹灯ろうは直径約20センチの竹を高さ60センチに切りそろえ、片方を斜めに切ったもの。100基以上作って、出来栄えの良いものを神戸に送った。蔵本さんは「神戸でのイベントが続く限り、灯ろうを送りたい」と話している。

1月7日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090107-00000159-mailo-l27