2009年01月07日(水) 13時28分
<ミシェルさん>次期米大統領夫人…「奴隷」の子孫で初(毎日新聞)
バラク・オバマ氏(47)が黒人初の米大統領に1月20日就任するのに伴い、ファーストレディーとなる妻ミシェルさん(44)。奴隷の血を引く黒人女性が大統領夫人としてホワイトハウス入りするのは史上初めてのこと。一挙手一投足に全米の注目が集まる。【ワシントン大治朋子】
ミシェルさんは米中西部イリノイ州シカゴの黒人貧困街で生まれた。猛勉強してオバマ氏と同じハーバード大法科大学院を修了。
大学院卒の大統領夫人は、次期政権で国務長官に就任するヒラリー・クリントン氏(61)に次いで2人目だ。ファーストレディー時代の同氏のように政治に口出しするのではないかとの憶測もあるが、ミシェルさんは「目標は母親司令官」と話す。軍の最高司令官である大統領になぞらえ、子育てを最優先にする決意を示したものだ。
オバマ家は夫妻と長女マリアさん(10)、次女サーシャさん(7)の4人家族。ミシェルさんの口癖は「子供には落ち着いた家庭環境が必要」。ホワイトハウスでも子守は雇わない方針だ。公務と育児を両立させるため、実母マリアンさん(71)にホワイトハウスでの同居を頼み込んだ。
ミシェルさんの父方の高祖父は南部サウスカロライナ州の農園で働く奴隷だった。同じ黒人でも、ケニア人留学生だった父と白人の母の間に生まれたオバマ氏とは決定的に異なる。奴隷の子孫として差別されてきた黒人にとっては、ミシェルさんのホワイトハウス入りの意味は大きい。
米国社会で黒人女性は、「人種」「性別」の両面で社会的差別を受けてきた。白人と黒人の経済事情を国勢調査でみると、平均収入のトップは白人男性。その次を白人女性と黒人男性が争い、黒人女性は長年、最下位だ。
そんな社会の中で着実にキャリアを積み上げてきたミシェルさんの存在は、白人中心社会で埋没しがちだった「黒人女性自身の意識も変えるのでは」(著名な黒人女性記者のサミュエルズ氏)と期待されている。
ファーストレディーといえば、注目はやはりファッションだ。ミシェルさんは昨夏の民主党全国大会で、知人のデザイナーに特注したトルコ石色のワンピースが、さわやかな印象を演出したと絶賛された。
専門家の推定では、当日の衣装総額は約13万円と控えめ。ミシェルさんの好みは価格も手ごろで「リアルな(庶民にも手が届く)ファッション」(米ロサンゼルス・タイムズ紙)と人気を集める。歴代大統領夫妻の研究で知られる作家、グッドウィン氏は「高級品を好む夫人が多いなか、洋服選びを通じ、庶民と対話できる大統領夫人になるかもしれない」と話している。
★趣味「エクササイズ」
身長は180センチ。趣味は、朝一番で続けているという「早朝エクササイズ」。選挙前は午前4時半に起床し、近くのジムで筋力トレーニングやランニングなどに励んだ。「辛口ジョーク」が得意とされたが、選挙戦序盤で米メディアに「皮肉屋」と批判的に報じられ「最近、控えめにしている」(ミシェルさん)。
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