民主党は6日、製造業への労働者派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案を社民、国民新両党と共同で今国会に提出する方向で調整に入った。
民主党はこれまで、派遣を受ける企業の立場にも配慮して、製造業への労働者派遣を原則禁止とはしていなかった。自動車産業などの労働組合を支持母体とする議員らを中心に「派遣を禁止して正規雇用に切り替えると、人件費が増えて企業の経営が圧迫され、逆に職を失う人が増える恐れもある」と規制に慎重な意見が強かったためだ。
しかし、深刻化する雇用問題への対策が急がれるため、小沢代表が菅代表代行に野党共闘を最優先するよう指示。原則禁止を主張する社民、国民新両党に歩み寄った。ただ、民主党内にはなお慎重論も根強い。
政府・与党も慎重だ。
麻生首相は6日の衆院本会議の代表質問で、「かえって労働者の不利益になるため、原則自由化以前に戻すことは適切ではない」と述べた。自民党の細田幹事長も6日の記者会見で、製造業への労働者派遣禁止について、「全面的に禁止すると、需要が回復した時に臨時職員として雇用しようと思ってもできない」と難色を示した。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090106-OYT1T00781.htm