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2009年01月06日(火) 19時01分

<阪神大震災>両親亡くした書家が「ありがとう展」開催へ毎日新聞

 阪神大震災で両親を亡くした神戸市東灘区の書家、野原神川(しんせん)=本名・久美子=さん(53)が7日から、震災にまつわる俳句、詩などを公募し、書でしたためた作品展「絆(きずな)2 今日までのありがとう展」を神戸市内で開く。野原さんは「それぞれの被災者にそれぞれの震災があることを忘れてはいけない」と訴えている。

 応募の中から19人22点を選び、1カ月半、自宅の工房で制作した。内容に応じて字をにじませたり、指で書いたり。時には涙を流しながら夜明けまで筆を握り続けた。

 神戸大の守衛だった同市垂水区の70代男性は、体育館で被災者と過ごした1週間が頭から離れず「ありがとうの心で食べる震災後」という句に詠んだ。同市西区に住む元小学校教諭の60代女性は、両親を失った当時小学2年と6年の姉妹の気持ちを詩にした。「会いたい 会いたい もう一度 そして伝えたい お父さんお母さん大好きと」

 野原さんは震災で自宅近くの実家と妹宅が全壊。両親と妹の夫が亡くなった。10年間、震災を創作のテーマにできなかったが、「つらい思いをしたのは自分だけじゃない」と思えるようになり、「多くの人の思いを書で表現して残したい」と作品展を企画した。

 神戸市中央区中山手通2のNHK神戸放送局で12日まで。午前10時〜午後6時(最終日は午後5時半)。入場無料。【藤顕一郎】

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