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2009年01月05日(月) 21時25分

民主揺さぶり、自民造反警戒 大荒れ模様の国会幕開け産経新聞

 平成20年度第2次補正予算案の早期成立を至上命題とする政府・与党に対し、補正に盛り込まれた2兆円規模の定額給付金の撤回を主張して譲らない野党。5日召集された通常国会は冒頭から双方が火花を散らした。衆院解散・総選挙への導火線となる今国会は大荒れ模様の幕開けとなった。

 山岡賢次民主党国対委員長「2次補正から定額給付金を分離してほしい」

 大島理森自民党国対委員長「生活支援だから分離できない。(野党は)2次補正の修正案をさっさとお出しになったらどうか」

 国会は5日朝、2次補正をめぐり、共産党を除いた与野党国対委員長らのつばぜり合いで幕を開けた。

 山岡氏はさらに、7日の参院代表質問の前提条件として、国民の雇用や住まいの確保を求める決議案の採決を要求した。これに対し大島氏は「2次補正が最優先だ」と退けた。

 麻生太郎首相は5日、自民党本部で開かれた仕事始めで、「一連の予算案を早く通すことが一番の景気対策だ。一致団結して国会を戦い抜き、来たるべき衆院選で成果を問わなければいけない」と強調した。

 与党は、2次補正、平成21年度予算案の執行に必要な関連法案を参院に送付した後、野党側が否決するなどの対応に出た場合、衆院の3分の2以上の多数で再議決する構えだ。ただ、自民党の衆院議員17人が反対すればこうしたシナリオは崩れることから、同党国対幹部は「造反者が出ないよう、細心の注意を払った国会運営をしていく」と警戒感を隠さない。

 公明党幹部によると、首相や与党幹部が4日夜、国会対応で腹合わせをした際、公明党側が「自民党で17人造反すれば麻生政権は窮地に陥る。しっかり固めてほしい」と要請。大島氏が首相に「(造反の)動きのある議員一人一人に電話をしてほしい」と要請する一幕があったという。

 一方、民主党の小沢一郎代表は5日、党本部の仕事始めで「歴史的な大事な年になる。『国民の生活が第一』という大目標を掲げ、衆院選で国民の支持を得て、実際の政治・行政に反映させていく年にしなくてはいけない」とげきを飛ばした。

 その後、都内で開かれた連合の新年交歓会でも「オバマ米次期大統領は就任式にリンカーン元大統領のバイブルを使用すると聞いている。今年は何としても、『国民の、国民による、国民のための政治』を実現したい」と述べ、政権交代に向けボルテージを上げた。

 雇用対策を積極的に打ち出す一方、世論の評判が悪い定額給付金の扱いでは徹底抗戦し、麻生政権の足元を揺さぶる−。民主党の国会戦略は、国会対応で首相を立ち往生させ、衆院解散・総選挙を早期に実施せざるを得ない状況に追い込むことに尽きる。

 同党が求める決議案の採決をめぐり、菅直人代表代行は「雇用問題に積極的に取り組む姿勢を国民に見てもらい信頼を得る」と強調する。ただ、与党側に賛同を呼びかけ足並みの乱れを誘う「変化球」との側面があるのは間違いない。

 さらに、渡辺喜美元行革担当相をはじめ、自民党内に給付金に批判的な意見があることを踏まえ、6日には2次補正から給付金を削除した修正案を提出し、追い打ちをかける構えだ。

 与党が2次補正の強行採決や、21年度予算案との並行審議に踏み切れば、参院では審議拒否など強硬姿勢で対抗することも視野に入れている。

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