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2009年01月05日(月) 18時45分

2009年の株価「予測がつかない」 シンクタンクも頭を痛めるJ-CASTニュース

 2009年、まもなくオバマ米大統領が誕生する。打ち出す政策が、世界景気がよりマイナスに向かうか、上昇の兆しがみえてくるか、を「大きく左右する」(外資系証券のアナリスト)という。シンクタンクが予測する2009年の株価と為替相場をみてみる。

■日本総研の09年末予想は「6500〜7500円」

 2008年秋以降、株価は大暴落、シンクタンクの予測も大きく狂った。そのせいもあって、J-CASTニュースは複数のシンクタンクに2009年の株価予測を聞いたが、「予測がつかない」という回答は少なくなかった。富士通総研は株価・為替の予測値を「公表していない」とのことだった。野村証券金融経済研究所や三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどでは、投資家セミナーなどで明らかにすることがあるが、一般には公表を控えているという。

 08年は過去最大の42.12%の下落率を記録。エコノミストも、かなり頭を痛めているようだ。

 そうした中で、日本総合研究所の09年末の予想株価は「6500〜7500円」と、08年の大納会のとき(日経平均株価8859円56銭)よりも、さらに下落するとみている。「金融・経済の安定化のカギを握る米国の住宅市場の調整が終わるのは、早くとも2010年後半までかかるとみられ、09年の株式市場は内外ともに調整過程にある」と説明。年初はオバマ新大統領が打ち出す政策への期待から「株価上昇」もあるが、年後半は調整過程から嫌気される展開になると読む。

 みずほ総合研究所が08年12月11日に公表した「2008〜09年度日本経済見通し」によると、09年度下期の日経平均株価は9100円だった。08年は「年後半には米景気も徐々に持ち直す」とみて予測をはずしたが、09年は「1万円台」の回復はむずかしいとみている。

 第一生命経済研究所の2009年末の株価予測は「9500円程度」で、08年末よりはやや上向くとみている。ただ、その前提条件として「米政府がオバマ政権発足後3か月以内に、簿価の9割以上の価格で政府による不良債権の買い取りが決まること」という。

 春ごろまでは一たん9000円近くまで持ち直すが、円高の進展で企業業績が悪化して秋にかけて低迷。しかし、「米国景気が10月ごろに底入れから回復に向かうので、年末にかけては上昇基調を強める」とのシナリオを描く。

 大発会の2009年1月5日の日経平均株価は、前日比(12月30日)183円56銭高の9043円12銭。5日続伸で、2か月ぶりに9000円台に回復した。

■「100円台」の回復は厳しい、という予想が大勢

 急激な「円高ドル安」が襲った2008年。09年は「1ドル100円」まで、ドルが力を取り戻せるかが焦点だ。しかし、それは「むずかしい」とみているシンクタンクは少なくない。なかには70円台という回答もある。

 主なシンクタンクのドル円為替の予測は、

  日本総合研究所           75〜85円(09年12月末) 円高基調
  みずほ総合研究所          97円(09年度予測)    やや円安
  三菱UFJリサーチ&コンサルティング 99円(09年度下期)    円安基調
  野村証券金融経済研究所       100円(09年度)      円安基調
  大和総研              92円(09年12月中平均) ほぼ横ばい
  第一生命経済研究所         95円程度(09年12月末) やや円安
  ニッセイ基礎研究所         90円(09年10〜12月) ほぼ横ばい
  農林中金総合研究所         93円程度(09年度予測) ほぼ横ばい
  (注)各シンクタンクが08年12月に発表した「2008〜09年度日本経済見通し」などから抜粋

 第一生命経済研究所は、09年末のドル円相場を「1ドル95円程度」と予測する。「一たんは1ドル80円割れの公算もあると考えている。ただ、米景気が回復に向かう秋以降は円安ぎみに進む」展開と読む。

 日本総合研究所は「1ドル75〜85円」と、さらに円高が進展するという。米国の景気悪化が続くことや財政赤字の大幅拡大などを背景に、円高ドル安基調が持続するとみている。「1ドル80円割れからは、金融当局の円売り介入も想定され、それらが円高ドル安の進行を抑える見通し」を描く。

 欧米諸国の政策金利の引き下げが続くことや、それによる市場の混乱が続くことなどの要因から、円高基調は当面続きそう。ユーロ円相場も、「ユーロ圏経済は金融政策が後手に回っていて、1ユーロ100円を割り込むことも想定している」(第一生命経済研究所)と、「米国以上に深刻」との見方もある。円高抑制のための「円売り介入」のタイミングも、09年の為替相場を左右することになりそうだ。


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