第百七十一通常国会が五日召集され、衆院解散・総選挙をにらんだ与野党対決の幕が開いた。麻生太郎首相は景気、雇用情勢の悪化に対応するため二〇〇八年度第二次補正予算案と〇九年度予算案を早期成立させ、政権への信頼を取り戻したい考え。同日午前の自民党両院議員総会で「政権与党がいかなるものかを示せる良い機会だ。覚悟を新たにして通常国会を戦い抜きたい」と述べた。
野党は、国民の信任を得ていない麻生内閣では対応できないとして参院で徹底抗戦、早期解散に追い込む方針だ。民主党の小沢一郎代表は役員会で「決戦の年だ。国民に目を向けた政治を実現し、危機的な状況を克服する大目標に向け一層の努力をお願いしたい」と決意を表明した。
会期は六月三日までの百五十日間。六日から中川昭一財務相の財政演説に対する代表質問が行われ、論戦がスタートする。民主党の鳩山由紀夫幹事長や自民党の保利耕輔政調会長らが質問に立つ。
最初のヤマ場は、政府、与党が今月中旬に予定する二次補正と関連法案の衆院採決で、自民党内の造反の動きが焦点。
民主、社民、国民新各党の国対委員長は五日朝、自民党の大島理森国対委員長に二次補正から定額給付金を切り離すよう要求したが、大島氏は拒否。民主党は修正案提出を通告した。
二次補正に関し、与党は五日の衆院予算委員会理事会で八、九両日の審議—採決を提案。民主党は五日間必要と主張し、物別れに終わった。
二次補正と関連法案ともに与党の賛成多数で衆院通過する見通しだが、与党内から十七人以上の造反が出た場合は、六十日後に関連法案を衆院再可決で成立させる道が事実上断たれる。
〇九年度予算案でも、道路特定財源の一般財源化問題などで再び自民党内の造反が焦点となる。政府、与党は年度内成立に向け二次補正との並行審議も辞さない構え。予算審議を乗り切っても内閣支持率が上昇しない場合は与党内から首相退陣要求が出る事態も想定される。