景気後退で非正規労働者らの大幅削減が続き、雇用問題が深刻化する中、迎えた五日の仕事始め。連合の
高木会長は連合本部で年頭の記者会見。「賃金も雇用もというスタンスでやらなければ景気回復はできない」と述べ、春闘をめぐる論戦の口火を切った。
各労組の賃上げ要求額はここ数年で最高となる見通しだが、経営側は賃上げだけでなく雇用の安定にも厳しい姿勢を示している。非正規労働者の大量削減への対応でも、連合は労働者側の最大組織としての力量と真価が問われそうだ。
連合は〇八年度の消費者物価上昇率の見通しを1%台半ばと想定して八年ぶりにベースアップを要求。高木会長は「こんな時期に賃上げ要求かという声もあるが、雇用も賃上げも追求せざるを得ない。家計の可処分所得がどんどん下がっていて内需が盛り上がるのか」と説明した。
正社員中心に賃上げ要求する一方、非正規労働者らの失職が増える現状に質問が及ぶと、「非正規労働者の雇用を放っておくということではない」と反論。「解雇の前にやれることはあるはずだ」とし、経営側を批判した。
日本経団連が昨年十二月に示した春闘の交渉指針については「賃金にも雇用にも非常に消極的だ」と語った。