東京都は四日夜、日比谷公園や厚生労働省講堂に寝泊まりしている失業者ら約五百人分の宿泊スペースとして、都内にある学校跡地の体育館など四カ所を開放することを明らかにした。期間は十二日までの約一週間。
講堂の使用期限が五日朝に迫り、日比谷公園の「年越し派遣村」実行委員会が衣食住の確保を求め厚労省と交渉。省の要請を受けた東京都が、廃校となった中央区の体育館や練馬区の児童養護施設などを宿泊先として開放することを決めた。各施設に労働相談や生活相談の窓口を設け、弁当や毛布も提供する。
実行委によると、支援を求め集まった失業者らはこの日さらに約百人増え、約五百人に達した。中には持ち金が尽きて路上生活を余儀なくされ、衰弱しきっている人も多い。このため肺炎やインフルエンザにかかるなどして八人が入院。昨年十二月三十一日の派遣村開設以来、連日五十—百人がボランティアの医師たちの診察を受け、五人が救急車で運ばれた。
派遣村の集会で、派遣ユニオンの
民主、共産、社民、国民新の野党四党の党首らも講演。民主党の菅直人代表代行は「派遣村での活動は日本の雇用、労働運動の(在り方を変える)転機になる」と話した。