核開発を続けて国際的孤立を深めるイランの首都テヘランで今年秋、被爆者が参加する初の本格的な原爆展が開かれる。広島市東区の特定非営利活動法人(NPO法人)が、現地の毒ガス被害者支援組織と連携し、原爆資料館(中区)の協力で実現。大量破壊兵器の廃絶を訴える。
NPOは国際医療支援団体「モーストの会」。計画では原爆展は10、11月に2週間にわたってテヘラン・シティー公園内にある平和博物館で開く。
被爆の惨状を伝えるパネルにペルシャ語訳の説明文を添えて展示。被爆者2人が体験を語り、記録映画を上映する。イラン政府要人も招くという。
原爆資料館は、展示資料や広島市内の児童が描いた平和の絵の貸し出しと輸送、説明文のペルシャ語訳の監修などで後押しする。前田耕一郎館長は「核問題が関心を集めるイランの人々に、原爆の被害を知ってもらう意義は深い」と期待する。
【写真説明】被爆と毒ガス被害という二つの悲劇を伝えるテヘラン平和博物館。今年秋の原爆展では被爆者が証言に立つ