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2009年01月05日(月) 00時00分

霞が関に来れ、法科大院生 中央省庁で就業体験実施中国新聞

 人事院は四日、法科大学院生を対象とした中央省庁でのインターンシップ(就業体験)を二〇〇九年度から実施することを決めた。司法制度改革による弁護士の急増で、法曹資格を取っても法律事務所などの就職先が見つからない現状を背景に、法科大学院生を霞が関に呼び込む狙いだ。

 中央省庁での就業体験は、政策立案能力の育成を目的に一部の大学が設置している公共政策大学院を対象にすでに行われている。法科大学院生を受け入れる省庁や人数、期間など詳細は未定だが、夏ごろに数週間、十数人程度を想定。実際の法案作成の作業実習などを検討している。

 人事院は「司法試験と国家公務員I種試験を両方受験する人もいる。公務員にも関心を持ちながら法科大学院に進んだ学生もいるはず」と期待。新司法試験の合格率が低迷する中で、少しでも多くの進路を確保しておきたい大学院側の思惑とも一致し、すでに複数の大学院が院生の派遣を承諾しているという。

 中央省庁の幹部候補となる国家公務員I種試験の申込者数は、三年連続で過去最低を更新中。好待遇の外資系金融機関などに人材が流れたとされるが、人事院は、景気悪化も追い風に、法科大学院生のインターンシップで「立法の戦力となる人材を呼び戻したい」と意気込んでいる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901050040.html