フィギュアスケートの全国高校総体(インターハイ)が18日から4日間、広島市東区の広島ビッグウェーブである。会場の限られる冬季競技が、財政難の地方自治体にとって重荷になりつつある中、今年はスピード、アイスホッケー、フィギュアを分散開催する。静岡県以西では初の開催となる広島大会は、さまざまな手だてで運営費の圧縮を試みる。総体だけでなく国体なども含めて、今後の競技運営の可能性を探る試金石となりそうだ。
「広島に引き受けてもらわなかったら今年は中止になっていた」。昨年末、打ち合わせに広島県高体連事務局を訪れた、全国高体連スケート専門部フィギュア競技の高田徹委員長は真顔で語った。
2009年のスケートインターハイは当初、スピードスケート、アイスホッケーを含め岐阜県で開催予定だった。ところが財政難を理由にスピードだけの開催を表明。アイスホッケーとフィギュアは一時、宙に浮いた。
結局、アイスホッケーは北海道が引き受け、単体リンクで開催が可能なフィギュアは、06年に全日本ジュニア選手権開催などの運営実績がある広島県高体連に打診。同高体連の宮本賢一理事長は「高校生の夢の舞台をなくせない」と県スケート連盟に協力を要請し、高体連にスケート専門部を持たない県での異例の開催が決まった。
【写真説明】2006年11月にフィギュアの全日本ジュニア選手権が開かれた広島ビッグウェーブ。インターハイ開催は静岡以西では初めてとなる