中四国最大の広島市中央卸売市場(西区)で5日早朝、初競りがあった。鮮魚の卸値はほぼ前年並みだったものの、果実は約1割安で始まり、景気低迷による需要減が響いた。
水産物部の大発会は午前4時に開始。仲卸業者など約100人を前に石津隆生市場長(59)が「経済状況が悪化し、市場の環境は厳しい。食の安全、安心の発信基地としての役割をアピールしていこう」とあいさつ。三本締めで市場の活況を祈った。
競り人の威勢の良い掛け声で近海物の競りが始まり、瀬戸内海で捕れたアジやタイが競り落とされた。水産物荷受けの広島魚市場(同)によると、タイは1キロ当たり前年並みの2000—1000円で取引された。
【写真説明】威勢の良い掛け声で初競りに掛けられる地物のタイ=5日午前4時55分、広島市中央卸売市場(撮影・坂田一浩)