2009年01月05日(月) 22時24分
渡辺氏の離党確実に 自民党内に同調の動きなし(産経新聞)
自民党の渡辺喜美元行政改革担当相は5日、国会内で石原伸晃幹事長代理に会い、麻生太郎首相(党総裁)にあてた(1)早期の衆院解散による危機管理内閣の立ち上げ(2)定額給付金の撤回−など7項目の提言を含む要求書を提出した。渡辺氏は記者会見で「提言が速やかかつ真摯(しんし)に検討されなければ政治家としての義命により離党する」と述べた。義命とは大義よりも重い道徳の至上命令を意味する。
これに対し、細田博之幹事長は会見で「要求書に回答しない。予算案は政府と党が民主的に決めたものだし、『解散しろ』といわれても困る」と述べ、渡辺氏の離党は確実になった。ただ党内に同調して離党する動きは出ていない。
渡辺氏は要求書で「定額給付金は雇用情勢の急激な悪化で生活防衛としてのメリハリは失われた。『同じ2兆円ならもっとましな使い方がある』との声に耳を傾けるべきだ。解散総選挙の先送りに国民の閉塞(へいそく)感の根本原因がある」と首相を批判した。渡辺氏は親しい議員らに電子メールで要求書を送った。
麻生首相は5日夜、「解散より政策の実行が大事だ。定額給付金をやめる話をする気はない。離党されるかは個人の話で答えようがない」と突き放した。首相官邸で記者団に語った。
自民党の青木幹雄前参院議員会長は同日、河村建夫官房長官に対し「(渡辺氏の離党に)付いていく人はいない。結束してやっていこう」と語った。
武部勤元幹事長は「「気持ちの上では理解者はいっぱいいる」としながらも、離党には「飛躍してはいけない」と自重を促した。中堅・若手の一部にも渡辺氏の提言に理解を示す向きはあるが、「離党を口にするのは短絡的だ」(町村派若手)との声が大勢だ。
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