【北京4日共同=水野雅央】東シナ海の天然ガス田開発問題をめぐり、日中両政府が昨年六月に開発を継続協議することで合意したガス田「樫」(中国名・天外天)について、中国側が合意後も掘削などの作業を継続していることが判明、日本政府が「合意違反」として昨年十二月まで繰り返し抗議していたことが四日、分かった。複数の日中外交筋が明らかにした。
中国外務省の
昨年六月に決着したはずだったガス田問題をめぐる対立が続いていることになり、戦略的互恵関係を掲げる日中間で再び、「火種」になる可能性が出てきた。
両国政府は昨年六月、日本が境界と主張する日中中間線付近にあるガス田「
「樫」をめぐり、日本側は昨年六月の合意以前も中国側の開発への抗議を行っていたが、合意後の七月、樫の周辺海域が茶色く濁っているのを海上自衛隊機が発見。直後に「東シナ海を平和と友好の海にするために行った両国の合意の精神に反している」と抗議。その後も中国側の作業を確認するたびに繰り返し抗議した。
中国国内では昨年六月の合意直後から「日本に譲歩しすぎだ」との批判が噴出していた。