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2009年01月05日(月) 00時00分

ガス田の開発継続判明 「合意違反」と日本が中国に抗議中国新聞

 【北京4日共同=水野雅央】東シナ海の天然ガス田開発問題をめぐり、日中両政府が昨年六月に開発を継続協議することで合意したガス田「樫」(中国名・天外天)について、中国側が合意後も掘削などの作業を継続していることが判明、日本政府が「合意違反」として昨年十二月まで繰り返し抗議していたことが四日、分かった。複数の日中外交筋が明らかにした。

 中国外務省の秦剛しん・ごう副報道局長は同日「天外天が中国の海域であることは争いがなく、ガス田開発の作業を行うのは固有の権利の行使だ。天外天について日本との間に共同開発の問題は存在していない」とするコメントを発表、強く反発した。

 昨年六月に決着したはずだったガス田問題をめぐる対立が続いていることになり、戦略的互恵関係を掲げる日中間で再び、「火種」になる可能性が出てきた。

 両国政府は昨年六月、日本が境界と主張する日中中間線付近にあるガス田「翌檜あすなろ」(中国名・龍井)周辺の共同開発で合意。さらに中国が既に開発に着手している「白樺」(同・春暁)に日本企業が出資し、「樫」と「楠」(同・断橋)の周辺海域は継続協議とすることを決めた。

 「樫」をめぐり、日本側は昨年六月の合意以前も中国側の開発への抗議を行っていたが、合意後の七月、樫の周辺海域が茶色く濁っているのを海上自衛隊機が発見。直後に「東シナ海を平和と友好の海にするために行った両国の合意の精神に反している」と抗議。その後も中国側の作業を確認するたびに繰り返し抗議した。

 中国国内では昨年六月の合意直後から「日本に譲歩しすぎだ」との批判が噴出していた。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901050044.html